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「泉屋ビエンナーレ2023 Re-sonation ひびきあう聲」泉屋博古館、京都

現在、京都の泉屋博古館さまにて開催中の「泉屋ビエンナーレ2023 Re-sonation ひびきあう聲」では、10名の現代作家が約3000年前の中国古代青銅器からインスピレーションを受けて制作した作品とそのインスピレーション元となった青銅器たちを見ていただくことができます。


画像は柴田早穂「空白の肖像 古代青銅器と人々」のインスピレーション元となった青銅器たちです。今回の作品では、これら青銅器たちを私たちを過去の記憶へと導いてくれる案内人のような気持ちで見つめました。

中国古代青銅器
作品のインスピレーション元となった中国古代青銅器

【画像:作品のインスピレーション元となった中国古代青銅器】

(左から)

「饕餮文鼎」殷後期(前12世紀)

「亜丙爵」殷後期(前12世紀)

「戈祁盉」西周前期(前11世紀) ※画像は泉屋博古館さまより提供 撮影:深井純


「空白の肖像」は古代青銅器が繁栄した大きな歴史観のなかで埋没してしまっている“そこに存在していた”であろう人々の姿です。現在その時代を知る手がかりとなっている甲骨文字や金文といった文字の記録に残っていない人々はどのように生きていたのでしょうか。 肉を煮る「鼎」(てい/かなえ)、酒を温める「爵」(しゃく)、「盉」(か)。青銅器は先祖神のための祭祀儀礼に用いられたとされており、一般の人々はこれらを用いることはありませんでした。

柴田早穂「空白の肖像 古代青銅器と人々」
柴田早穂「空白の肖像 古代青銅器と人々」 「泉屋ビエンナーレ2023」展示風景

現代の私たちはその時代を知る手がかりとして、発掘されたこれらの遺物から考察します。青銅器はその物質性を超えて、その時代そのものでもあるという考えから、その時代に生きていたであろう「空白の肖像」のヒトガタはすべて青銅器とともにあります。

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